vistlip 「GLOSTER」

GLOSTER(lipper)

GLOSTER(lipper)


麻疹のように不定期発症する、若手チェックして流行に追いつきたい病。


リードトラックとなる 「GLOSTER IMAGE」 を試聴した時は少々驚きました。メタルサウンドは昨今の若手バンドが挙って導入してるものですが、それにしてもなかなか厳ついギターサウンド。所謂 Djent の領域に達してるんじゃないかというくらいの荒く鋭い刻み (Djent の定義についてはあまり自信はないのですが…) 。それが勇ましい疾走感に乗ってザクザク刺さり、サビでは V-ROCK ならではの開放感溢れるメロディで視界が一気にブワッと開ける。洗練されたエレクトロサウンドも随所に挟むなどして全く隙のない仕上がり。思わず感心してしまいました。


それ以外にも 「瞳孔」 「Inbreed」 など、獰猛なアグレッションと爽快なメロディを組み合わせた必殺パターンの連打。今回はミニアルバムということで敢えて路線を一本に絞ったのでしょう。分かりやすく the GazettE の影響下にあるのを差し引いても、これだけ方向性を絞って攻めの姿勢で来られたら降参せざるを得ない。おそらく最近のV系界隈におけるメインストリームを余すことなく体現しており、それはやはり王道らしくパワフルでキャッチーな、ひとつの正義に通じるもの。


ただやはり他のバンドとの差異は何だろう?と考えると、これといった武器が見当たらないのも事実。まーそこまで多くのバンドを把握できてるわけではないのでアレですが、良くも悪くも優等生的な印象はどうしても受けます。演奏も上手く、楽曲も良く出来ている。抜かりはない。だけど本当に欲しいのはソレじゃないんだ。


2007年結成の5人組による、ミニアルバムとしては3年9ヶ月ぶり3作目。


Rating: 6.9/10