Kalafina 「Consolation」

Consolation(初回生産限定盤A)(DVD付)

Consolation(初回生産限定盤A)(DVD付)


慰め、とは。


「Red Moon」 では比較的アグレッシブ、 「After Eden」 では比較的柔らかな印象といった風に全体のカラーを微妙に移ろわせていましたが、今作は5周年を経てのリスタートということもあってか、改めて彼女らの魅力の軸となる部分を真っ当な形で打ち出した原点回帰的な内容。要するに概ねいつも通りのカラフィナではありますが、いつも通りがすでに崇高。鉄壁のハーモニーを武器に異国のファンタジックな世界観を表現する、彼女らならではの正義的 J-POP は今作でも揺るぎない強さを発揮しています。


荘厳なクワイアとバンドサウンドが戦火の如く滾る表題曲 「Consolation」 、エキゾチックなポルカから開放への展開が鮮やかな 「moonfesta 〜ムーンフェスタ〜」 、高速サイケデリックトランス路線の 「signal」 、今作中最も濃密な深みの底を行く 「obbligato」 など13曲。楽曲のヴァラエティとしては以前にもあったネタだったり、正直なところ目新しさはありません。むしろメロディは手クセかと思える部分もチラホラあるのですが、それでも本来の力量のみで十分横綱相撲が取れるというのは凄いことだなと。


個人的には 「未来」 が好き。徐々に視界が開けて心地良い風が騒ぐような、この爽快感と優しさはタイトル通り未来へと自分の背中を押してくれる気がして、えらくグッとくる。中盤の曲なのにすでにクライマックス感漂ってるし、今回は曲順があまり好みじゃなかったかも。とはいえ彼女らの歌声はやはり自分にとって癒しであり、刺激であり、それはもしかしたら許しや慰めなのかもしれませんね、などと考えたりしたのでした。


1年半ぶりとなる4作目。


Rating: 7.4/10