飛蘭 「PRISM」

PRISM

PRISM


ヒロインの数だけヒロイズムは存在する。


例えば水樹奈々茅原実里喜多村英梨川田まみMELL といった戦闘態勢のアニソンシンガーが持つアグレッションを彼女も持ち合わせています。彼女の場合はヒットチャート系 R&B へ目配せしながらロックナンバーも兼備し、ギラついた高揚感で聴き手をノックアウトしてきます。艶とハリ、流麗さの中に力強さを宿し、歌詞中の人物が憑依したような情感を見せるあたり、タイプ的には MELLMay’n の中間あたり、かなー。しかし代替可能というわけではなく、しっかりと芯を持って歌声を響かせるパワーを持っています。


インダストリアルなヘヴィネスが深く突き刺さる 「Blood teller」 、ライトなトラックが歌声の魅力を別側面から引き立てる 「crime of love」 、タイトルからして正義に満ちたドラマチックな疾走ナンバー 「創世のタナトス」 など13曲。前作に比べると少々アクが薄まった気がしますが、そのアクとなる部分って大体は畑亜貴が担ってる部分だったりするので、今回はたまたま出番が少なかったということでしょうか。前作で言えば 「亡霊達よ野望の果てに眠れ」 みたいに正論畳み掛けでフルボッコされるような強烈な曲がもっとあっても良かった。もっと傷つけてよ!


しかしチャートアクションを見るとそれほど奮ってるわけではないのだな彼女。音楽的には決して他と見劣りすることはないのに。こういうのって何処で差が出てくるんでしょうか。タイアップ?


1年半ぶりとなる3作目。


Rating: 7.1/10