GLAY 「JUSTICE」 「GUILTY」

JUSTICE

JUSTICE

GUILTY

GUILTY


GLAY よりもラルク派、むしろ黒夢命だった10代を送っていた自分は、今に至るまで GLAY をあまり熱心に聴いたことがないことをここに懺悔します。


何故かと言われると単純に好みの違いとしか言いようがないのですけど、個人的に GLAY って BOØWY とかと同じで、一応メイクはしてますけどあまりヴィジュアル系だと思わないのですよね。耽美色はそこまで強くなく、洗練されたストレートなビートロックと端正なメロディ、己の人生観を反映させた歌詞はヴィジュアル系云々の狭いジャンルに留まらない、所謂大文字のロック、 「J-ROCK」 の王道を行くものだと思うからです。ほとんど門外漢のイメージなので反論を買いそうですが、カウンター好きの捻くれ者としては (笑) その王道感があまり強く引っかからなかったという。


そんで2枚同時リリースの本作。まず 「JUSTICE」 から。カラッと乾いた明るさにファンキーなグルーヴが映える 「WHO KILLED MY DIVA」 、そのグルーヴにさらに拍車を掛けるミクスチャーロック 「LOVE IMPOSSIBLE」 、ピエール中野参加で性急な荒々しさが強調された 「JUSTICE [FROM] GUILTY」 など、 GLAY のアッパーな側面が強調された仕上がり。対する 「GUILTY」 はいきなり荘厳なオーケストレーションで度肝を抜く 「Red moon & Silver sun 〜 My Private "Jealousy"」 に始まり、ド派手な上モノでギラギラ迫る4つ打ちダンスナンバー 「everKrack」 、同じ4つ打ちでもこちらは和風の哀愁が香る 「華よ嵐よ」 、卒業シーズンにピッタリのこれぞ GLAY なロッカバラード 「初恋を唄え」 と、 「JUSTICE」 には無い実験的要素を交えつつ、いつもの持ち味を出したバラード曲も兼備してバランスを整えています。


ロックンロールなライブ感の強い 「JUSTICE」 と、そこに足りない部分を補う 「GUILTY」 。各々がそこまで明確に色分けされているわけではないですが、微妙な作風の違いはあり、2枚揃えて現在の GLAY の全貌が見渡せる内容。聴いてて思うのは、時代ごとにサウンドのアップデートを重ねつつも、根本の部分は昔から変わってないなという。歌詞にしろメロディにしろ、90年代初期〜中期あたりに感じていた雰囲気が未だに残っているように思うのですね。それは後ろ向きのノスタルジーではなく、彼らの血肉が90年代の時点で完成されてるということ。この横綱相撲的な安定感が、スタジアムレベルの王道ロックバンドとしての風格に繋がってるのは確か。


2年3ヶ月ぶりとなる通算12作目&13作目。


Rating: 7.1/10 (JUSTICE)
Rating: 7.2/10 (GUILTY)