少女スキップ 「COSODOROKITSUNE」

COSODOROKITSUNE

COSODOROKITSUNE


冷静に考えるとすごいバンド名だよな。俺だったらよう名付けん。


リリースは昨年だけど、今年のシューゲイザー初めでございます。折り重なるギターサウンドの厚みは密度高く空間を埋めつくし、同時に晴れやかな空のように風通しの良さも兼ね備えています。柔らかなドラムの鳴りなど全体的にローファイで耳馴染みの良い音作りは、海外インディロックの影響を十分に咀嚼してるのでしょう。疾走感と、浮遊感と、酩酊感と、高揚感。全てのピースが綺麗に合わさるように構築された筋金入りのドリームポップ。それこそ Pains of Being Pure at Heart や The Radio Dept. など好きな人にはジャストでしょう。


長尺曲が多く、特に9分を超える 「kammome」 「faba bean thought to be abstract」 での感情と情景が洪水となって押し寄せる様は圧巻。それ以外にも輪郭のぼやけた女性ヴォーカルによる歌モノが軽妙にツボを突っついてくれるのですよね。 「glory of the snow」 「light & delight」 なんかは90年代初頭の想い出迷子族を真綿で窒息させるかのような甘酸っぱさ。各パートが柔軟に絡み合ってひとつの大きな塊となり、心地良さで包み込んでくれるアンサンブルは強力なもの。もう目新しさとか何もないですけど、ジャンル音楽としてクオリティ高いんだからそれで良いかという。外の世界なんて知ったこっちゃないさ。


東京の5人組による初フルレンス。


Rating: 7.2/10