DE DE MOUSE 「sky was dark」

sky was dark

sky was dark


フロム・ダスク・ティル・ドーン


音使いはキッチュでロマンチックないつものデデ節ではありますが、今回は声のエディットは比較的控えめ。リズムもノリやすい4つ打ちや派手なブレイクビーツなどは用いず、緩やかで落ち着いた楽曲が多くを占めています。今回のテーマは 「夜」 。それはネオンにギラギラと彩られたクラバー達の夜ではなく、ビルの屋上、郊外の丘、そういった誰もいない場所から高い夜空を仰ぐような、心地良く広がるオープンな空気感が印象的です。


ダブステップの影響を感じさせる 「floats & falls」 に始まり、歪につんのめるヒップホップ・グルーヴが Flying LotusPrefuse 73 を彷彿とさせる 「bubble marble girl」 、星間を突っ切るスピードが鮮烈なドラムンベース 「star appears」 など11曲。夜、星、夢の美しさへと思いを馳せたエレクトロサウンドは彼が以前から得意としてるところではありますが、何気なく最近の流行にも気を配り、自らの個性と同化させているセンスはさすが。


個人的には 「dancing horse on my notes」 や 「my favorite swing」 といったアッパーなデデの方が好きなのですが、ベタに盛り上げる曲を中途半端に混ぜることなく、コンセプトに則ってトータリティを重視した今作もなかなかアリ。ちと尺が長すぎるきらいはありますが、先鋭性とノスタルジックな普遍性をバランス良く保った、彼の持ち味が未だ衰えることなくマジックを見せていることを示す好盤です。


小説はまあどっちゃでもよいが… (CD につく類の小説をまともに読んだことないおじさん) 。


2年半ぶりとなるオリジナルフルレンス4作目。


Rating: 7.6/10