NBAB的ギタリストベスト20選


「俺は貴族なんだ。正確には伯爵だ。」


唐突ですが最近 SPIN の記事に触発されたので、自分が今までに出逢った中でのギター弾きベストをやってみようと思います。テクニック、センス、パフォーマンス諸々込みで、あくまで 「ギタリスト」 として好きな方々を以下20人ズラズラと。あ、今回日本人だけです。


20. aie (the god and death stars)

US オルタナティブのラフな厚みや刺々しさを意識しながら、湿っぽい翳りを帯びたコード進行には耽美的な色も見え隠れするという。 deadman での活動で独自のカラーを確立し、現在はさらに生々しさを増した表現で深化をつづけています。



19. ナカヤマアキラPlastic Tree

元来 HR/HM 好きであったとのことですが、そんな彼がプラトゥリに参加したという経緯は興味深いですね。中期以降は作曲の数も増え出して、メタル〜グランジシューゲイザーギターポップとギタリストとしての引き出しの多さを存分にアピールしております。



18. 和嶋慎治 (人間椅子

日本人あるいは東北出身というアイデンティティを活かした音の旨味はやはりこの人にしか出せないもの。下手すりゃ出オチで終わるようなコンセプトのバンドをここまで長くやってきた、己のスタイルに対する愛着と矜持がサウンドからも感じられます。



17. HIZAKI & TERU (VERSAILLES

ヴィジュアル系シーンの中でもトップクラスの演奏力を誇るギタリストが目を疑うレベルの美人で、しかもそれが男だと知らされたらあなたはどうしますか?俺はうっかり性的に倒錯してしまいます。最初は HIZAKI だけが上手いのだと勝手に思ってたのですが TERU も負けず劣らずの技巧派なので鬼に金棒。



16. 山口隆サンボマスター

パンクやらファンクやらフォークやら多様な音楽要素を飲み込み、はっちゃけた勢いでブチかましつつ旨味のあるコード進行で惹きつける。高いポジションにギターを構え、語りかけながら慣らす音からは哀愁と優しさが滲み出る。そのギターサウンドからも人間味が感じられるようでやっぱり好きです。



15. TK (凛として時雨

切れ味の鋭い刃のようなサウンドで迫り、幻惑的なアルペジオで翻弄する。素朴な外見からは予測もつかない技巧でひり付くような衝動を突き刺してくる。テレキャスターに奇妙な執着を見せる彼ですが、不協和音手前のスリリングな音をギンギン鳴らすその様はひどくサディスティック。



14. AxSxENATSUMEN

彼もまたフェンダーらしい鋭く金属質な音を信条としてるところがありますが、同じギターでもこの人が弾くと、鋭さと深みを同時に携えて鳴っているような気がして不思議です。捻じれたコード進行と巧みなカッティングからポップの魔境へとリンクする、軽妙なセンス。



13. 青木裕unkie

downy 時代はエレクトロニカやポストロックから影響を受けた陰鬱な空間系サウンドを鳴らす人だと思ってましたが、 unkie になってからはエグい殺傷力のあるギターもザクザク鳴らしててひどく頼もしい。リズム隊もそうだけど元 downy 勢は根っこがハードコアですね。



12. 桜井青 (cali≠gari/LAB. THE BASEMENT)

そりゃー初めて見た時は衝撃的でしたよ。操り人形のような機械的で引き攣ったパフォーマンスに、頭のネジの吹っ飛んだ不協和音サウンド。本人は常々ギター弾けない弾きたくないと零しておりますが、あれだけのパフォーマンスしながら弾くってのは確かなテクを持ってないと出来ないと思いますよ。



11. 今井寿BUCK-TICK

ブッ飛んだ頭でロックンロール!正直テクニックに関しては結構怪しいと思ってるのですが、そこはやっぱり今井ちゃん、単純なリフでもハイエッジなものにしてしまう宇宙人的センスでどうにかなるのです。右利きなのにわざわざ左利き用のギター持ってる時点で常人とは違うのだよ。



10. JOJO広重 (非常階段)

ギターを使って他の人間には出せないオリジナルな音を出す、という意味では彼もまた孤高のギタリストであると俺は確信します。ギブソン SG を虐待した挙句に発狂させ、力強く拳を上げるその様はギターヒーローそのもの。



9. 白金史人 & 織田壮一郎 (kamomekamome

高速で繰り出される変拍子に食らいつく、緊張感漲るプレイ。テクニカルでありつつも贅肉を削いだハードコアであろうとするアティテュードはひどく強靭。技術と衝動が最高のレベルで合致し、火花を散らしながら拮抗するアンサンブルには否が応にも血肉を滾らされます。



8. 坂本慎太郎

彼もまたギブソン SG をトレードマークに、艶めかしくステップを踏みながらサイケな妖しさを振り撒いたり、ファズを効かせて暴れ回る爆音を手懐けようとする。ステージに立つだけで彼のオーラがムンムンと充満するような、奇妙なカリスマ性を持ったギタリストだと思います。



7. 雅 -MIYAVI-

Due le quartz 時代から彼を知ってる身としては、まさかここまでギタリストとして大成するとは思いもしませんでした。速弾き、スラップ、エフェクターも効果的に交えたギター1本で力強いグルーヴを打ち鳴らす、そのスタイルはもはや孤高と言って良いでしょう。



6. 向井秀徳ZAZEN BOYS

オルタナティブ〜 US ポストハードコアへの道筋を辿りつつ、祭囃子など和風音階の影響も徐々に現れ、最近では King Crimson にも通じる居合抜きのようなアンサンブルに到達した向井秀徳。通底してるのは6本の狂ったハガネの振動で貴様をビリビリさす、というシンプルな信念であります。



5. hide

アイドルその1。10代の頃にモッキンバードのシェイプを見て何とも思わなかった人間を俺は信用しません。幅広い音楽的嗜好をそのまま反映し、ギタリストとして、ミュージシャンとして、さらにはエンターテイナーとして常に前進し続けようとした御大。



4. 橘高文彦筋肉少女帯/X.Y.Z.→A)

アイドルその2。彼も己のスタイルに一切曲げようとしない信念を持っています。いったいどれだけお城を建立したら気が済むんだと言いたくなるくらい、超絶技巧をもってクラシカルで激しく美しいギターソロをいくつも残してきました。なおかつステージでは常に華のあるロックスターであろうとする姿勢も素晴らしい。



3. 山嵜廣和 & 美濃隆章 (toe

こんなにギターが 「歌える」 のかと言うのを、彼らの演奏を初めて聴いた時に知りました。遠い景色を見ながら口ずさむ歌のように、穏やかで優しく、時には感情の波が堰を切って溢れ出す。細かなニュアンスに至るまで暖かな人間の血が通ったギターサウンド



2. SUGIZO (LUNA SEA/X JAPAN)

アイドルその3。昨年のソロアルバムでもその強烈な個性を余すことなく見せつけていましたが、ラウドからクリーンに至るまで全ての音色に彼の美意識が貫かれてる。ワウ使ったノイズとか完全に SGZ サウンド。ライブでも一挙手一投足まで見せ方に拘った完璧主義者ですね。



1. NARASAKI (Coaltar of the Deepers/特撮)

メタル、ギターポップネオアコシューゲイザーなど、ギターに纏わる様々な音楽を同列に配置し、それらを全て NARASAKI という個性で統合してしまえるのは、それだけ彼が度の超えた音楽オタク、ギターオタクだからということでしょう。職人的サウンド作りと一撮みのユーモア。そのギターサウンド間違いなくオリジナルなものです。



こんな感じで、いかがでしたでしょうか。ギタリストというとどうしても 「いかに技巧的か」 という所に目が行ってしまうのですけども、それだけじゃなく音作りやフレーズ作り、パフォーマンス、キャラクターなど含めて好きな人っていうとこうなりました。少しでも皆様の参考になったなら幸い。