Bloc Party 「Four」

フォー

フォー


俺にもブロパを聴いていた時期がありました。


とは言っても主に聴いてたのは 「Silent Alarm」 じゃなくて 「A Weekend in the City」 の方だけど。その時のおぼろげな記憶を掘り起こすと、異様にスクエアなグルーヴと多彩なギターワーク、ある種黒人的なソウルフルな歌心を感じさせるヴォーカル、それらがポストパンリバイバルの時流に乗っかりつつも、さらにメジャーバンドらしいスケール感の大きさを携えて堂々としたサウンドを鳴らしていた…と覚えています。


それから大きく時を隔てての今作。突き刺さるようなヘヴィサウンドを叩き付ける 「Kettling」 「Coliseum」 や、変則的なギターループがノイジーに交錯する 「Octopus」 など、フックと成り得るアイディアは散見されます。けれども何て言うんでしょう、苦し紛れのアイディアで曲をなんとか成立させようとしてる、そんな風に勘ぐってしまうくらいに、曲自体が弱い。以前の彼らってもっと暖かみのある包容力とか、無機質でありつつパワフルなグルーヴとか、音自体から力の感じられるバンドだと思ってたんですけども。


特にヘヴィネス取り入れてる曲とか顕著なんですが、あくまで 「インディロック」 、あるいは 「ポストパンク」 の領域で見れば厳つく聴こえるというだけで、どうにも足腰が弱く感じるし、頭で作った音だけが空回りしてしまってるようで、転じて違和感ばかりを感じてしまいます。なんか、ほとんど才能の出涸らしのようなアルバムだな…と思ってしまいました。


Rating: 4.5/10