赤い公園 「ランドリーで漂白を」

ランドリーで漂白を

ランドリーで漂白を


レッツ!奇を衒え!


前作 「透明なのか黒なのか」 もそうでしたが、意図不明のインタールードが細切れに挟まれた正味5曲の10曲。アレンジや音色、構成の端々に小賢しい細工が目白押し。しかし今回は 「黒」 に対しての 「白」 ということで、ドロドロした感情の荒波は控えめでソフィスティケイトされた、それでいて歪な形のガールズポップに仕上がってます。洒脱でライトなメロディは何気ないようでしっかりフックを隠し持ち、短い尺の中に聴き手を惑わせるようなカラフルさが凝縮されてる。


こうした風通しの良い状態で聴くと、各メンバーのプレイヤビリティが随分と高いことに気付かされます。キュートなメロディに絡むギターコードの狙い定めた不和、また柔軟にパターンを変えるリズム隊の巧みさにも耳を惹かれる。そういったところで聴いていて連想するのは椎名林檎/東京事変。楽曲自体もそうだし、こうして連続して趣の異なる作品をリリースしてくるあたりも不敵なトリックスターという印象を受けます。彼女たちは表現において感情をデフォルメし、コントロールする術を早くも身につけてる。これから経験を積んでいけば本当に東京事変のような無欠のエンターテイナーバンドに成り得るかも。


白と黒。彼女の本質はいったいどちらなのでしょうね。個人的には今回の方が自由度が高くて好感が持てたのですけども、なんでもかんでもやりたいことやってると器用貧乏に陥ってしまう可能性もありますが、 PV を見る限り彼女たちは持ち前のクレバーさでもって。メジャーのフィールドを遊び場に変えて楽しんでる様子。全貌はフルレンスを出すまでは分かりませんね。


3ヶ月ぶりとなるミニアルバム2作目。


Rating: 7.1/10