少女-ロリヰタ-23区 「WORLD end's GALAXY」

WORLD end's GALAXY

WORLD end's GALAXY


流行ってるのも適度にチェックして若い子に気に入られたいオッサン病。


細分化を深めていく昨今の V-ROCK 事情でありますが、その中の所謂キラキラ系ってキラキラしてる故にオッサンにとっては少々手の伸ばしづらい部分があるんですよね。ただやはり最近の主流なのは否定できないので決して無視はできないわけで。そこでこのロリヰタから。90年代のオーバーグラウンドを席巻した白ヴィジュ、対照的にアンダーグラウンドを跋扈した黒ヴィジュ、それからゼロ年代に入ってこれらへのカウンターとして始まったオサレ系、モダンヘヴィネスを取り入れて海外進出への足掛かりとしたヘヴィロック系、こういったここ20年間くらいの V-ROCK の流れが凝縮された…というと言い過ぎか。ただ各々の音楽的要素がバランス良くブレンドされて様々な嗜好に対応できる内容になっています。


疾走感とシリアスさを纏った J-POP メロディがあり、ザクザクと噛んでくる演奏の厚みがあり、アッパーなシンセを散りばめたアレンジの華やかさがあり、一抹のダークネスと同時に開放的な力強さがある。こんな具合にヴィジュアル系サブジャンルの美味しいとこ取りで隙なく構えた作り。アゲアゲトランスと骨太なメタルの融合という意味では BLOOD STAIN CHILD に通じるかもしれない 「everlasting my fate」 「-HIKARI-」 、 YOW-ROW (GARI) 参加でエレクトロへの意識の高さもアピールした 「仮想不夜城」 等々、骨太なバンドサウンドキッチュでサイバーな上モノを掛け合わせてギラギラ先鋭化した12曲。本当良く練られてるなコレ。


まー正直後半に入るとさすがに金太郎飴な感じは拭えないし、至る所で既視感を覚えるんですけども、その中で最も最良、脂の乗ってる部分のみで構成されてるということで鉄板と言えば鉄板。ヘヴィすぎず軽すぎずと言うのが中途半端に陥るのではなく、双方の魅力を噛み合わせてしっかり聴き応えのある強度に繋げてるのは上手いと感心します。キラキラ系のバンドを他に多く聴いてはいないのでハッキリとは言えませんが、敢えて言えば彼らはそのキラキラ系の中でも比較的オーセンティックなヴィジュの路線を踏襲してるとかなと。他だともっとミクスチャーに寄ってたりトランスに寄ってたりネタに寄ってたりするのでしょうね。


2005年結成の5人組による、3年ぶりフルレンス3作目。


Rating: 7.0/10