DEAD END 「DREAM DEMON ANALYZER」

Dream Demon Analyzer(DVD付)

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ノスフェラトゥ中年は今回も精力ビンビンです。


前作 「METAMORPHOSIS」 から大きな変更はありませんが、復活後のリハビリを終えてさらに場数を踏んだからか、全体にバンドとしての一体感、円熟味が増してきたように思います。 HR/HM を取り入れたヴィジュアル系としては元祖に当たるであろう彼ら。やはり演奏の上手さ/美味さに関しては申し分なし。凡百の若手がおいそれとは届かない、ドスの効いた突進力とロックンロールのグルーヴ感。ルーツを活かして最新型に仕上げた 「水晶獣 」 「Conception」 のダイナミズムには圧倒されるし、 「Seiren」 のシリアスな焦燥がひり付く疾走感、 「夢鬼歌」 の切なくも勇壮なメロディなど聴き所は多数。ベテランたる凄みはしっかり発揮されています。


もちろん MORRIE も快調。低く迫るミッドロウから黒い翼を大きく翻すようにハイトーンまで自在に繰り出し、時にはデスヴォイスによる語りが牙を剥いて噛みついてくる。V系界隈には櫻井敦司、遠藤遼一、河村隆一など40過ぎても何故そんなバイタリティ溢れてるのかと問いたくなるノーライフキング系のヴォーカリストが何人か居られますが、彼などはやはりその筆頭。昨年 V-ROCK FES で見た時もマンションのような腹筋を見せながら堂々たる歌唱を響かせていたし、なんていうか、人間ってこんな風に年取れるんだ…って。


ラスト 「Deep -流星白書-」 はアコギとエレギの奇怪な旋律が交錯し、遠く轟く MORRIE の歌唱とともにタイトルよろしく深遠な世界をたおやかに構築する異色曲。こちらはほとんどプログレッシブロックの領域であり、その不可思議な心地良さが途中でフェードアウトしてしまうのが少し寂しい。どの曲も4〜6分で手堅く纏めた、良くも悪くも遊びのない硬派な内容なので、次はさらに冒険してしまっても良いような気がすると言うかしてほしいです。彼らにはもっともっと多彩な引き出しがあるはず。


2年4ヶ月ぶりとなる6作目。


Rating: 7.8/10