ねごと 「5」

5(完全生産限定盤)

ねごと・ア・ゴーゴー！

前作 「ex Negoto」 よりも着実に、順当にステップアップした成果が表れています。演奏力の向上に比例してアレンジの幅も広がり、カラフルさと芯の強さが比例した高品質ポップロックの応酬です。スペーシーな煌めきを飾るキーボードと、対照的に乾いたサウンドで刻むギター。各パートが多彩な音作り/フレーズで主張しながら密接に絡み合い、ヴォーカルはキュートな透明感を保ちながらも幾分かあどけなさが抜け、以前よりも凛としたパワーを感じます。

「greatwall」 〜 「nameless」 の序盤に並ぶアッパー曲連発がなかなか鮮烈ですが、特に 「トレモロ」 は驚きました。ほとんどワンフレーズの反復なのに構成の妙でポップソングとして成立し、一発で頭に残るキャッチーさを生み出してる。前作にも 「ループ」 や 「メルシールー」 といったキラーチューンが数多く存在していましたが、それらにも引けを取らない充実ぶり。アッパー曲は後半にも並べられてますが、そちらはもうちょっとヒネリや遊び心が入っていて、ただただ優等生なだけではない多面的な魅力をアピールしています。ラストのインスト曲 「SEED with groove」 もイマジナティブな深みがありつつ、ここからライブに繋がっていく予感を匂わせていて良い。

アルバム全体の構成からもライブを意識してるのが伺われて、ポジティブに前進すると言う気概が感じ取れるのですけど、決して不自然に肩肘張ってるわけではなくて、あくまで自然体なのですね。ガールズバンドならではの柔らかな丸みがあり、それが弾けるとフレッシュな勢いに転じるという。ここからさらにどういった広がりを見せるか、楽しみな存在であります。

Rating: 8.0/10