killing Boy 「Destroying Beauty」

Destroying Beauty

Destroying Beauty


タッグと言うには、お互いあんまり目を合わせてなさそうな。


木下理樹日向秀和が再び手を組んだということですが安直に初期 ART-SCHOOL の再現とはならず、あくまで新バンドとしての姿を昨年のデビュー作では模索していました。今作ではその方向性がグッと定まり、楽曲もより練り込まれたものになってると思います。詞世界やメロディは刹那的でナイーブな相変わらずの木下節が貫かれてますが、サウンド面ではブリブリの図太い音でしなっては打つひなっちのベースが完全に主導権を握り、ファンクを強く意識した黒い躍動感が腰あたりをグイグイ刺激してきます。基盤となるサウンドはダンサブルな熱で満ちているのに、それを覆うムードは諦観や失望にも似て、ただただ冷たいという。この両者の組み合わせの妙が killing Boy ならではの個性を生んでいます。


「talking about angels」 や 「in the colony」 「funkkk」 など、イントロであろうとサビであろうととにかく存在感バリバリ、強烈なベースリフの曲が多いのですが、不意に素朴な暖かみを見せるギターポップ 「you and me, pills」 「love, bleed, love」 の存在も良いアクセント。2作目というのもあるのかもしれませんが、メンバーどちらにも変な力みがなく、お互いの持ち味を自然な形で打ち出して、それが完全な融和でも、全くの違和感でもない、独特の味に転じてるという。もともと同じバンドをやってたはずなのに、別れた後に一周回ってこういった形になるというのも、因果と言うか何と言うか。


1年3ヶ月ぶりとなる2作目。


Rating: 7.1/10