world’s end girlfriend 「Starry Starry Night soundtrack」

Starry Starry Night O.S.T.

Starry Starry Night O.S.T.


いつの時代も若者は夢を見るのです。


「空気人形」 に続いての外仕事ということで、前回同様にピアノ/ストリングスを主としたイージーリスニング的な小品が多くを占めています。星空というタイトルが示す通り、遠く澄んだ空から輝く儚い光のように、一瞬のようでいて永遠に続くように、日常の風景/空気/感情をリリカルに彩る上品な楽曲の数々。現時点でのオリジナル最新作 「SEVEN IDIOTS」 はロックンロールを彼独特の手法で破壊→再構築したアヴァンギャルドな内容だったのに対し、こちらはまるで真逆を行く、従来の weg らしさが素直に表れています。特にゲストヴォーカルとして湯川潮音が参加した 「Storytelling」 が今作のハイライト。生楽器の流麗な音色と彼女の伸びやかな歌声は当たり前のようにフィットし、春の訪れのような優しくカラフルな情景を映し出しています。ジブリの時といい、 weg と湯川嬢は相性が良い。


しかし、良くも悪くも外仕事。楽器の使い方やメロディの質感は weg 印の鉄板の魅力を手堅く打ち出していますが、今作においての特別な試み、冒険心というのはまるでなし。実にシンプルで素朴な楽曲は物語を引き立てる BGM に徹してるという感じで、曲本来の微笑ましさと同時に物足りなさも感じてしまうのは仕方ないか。その辺はもう割り切ってるんでしょうかね。聴く人によっては無味乾燥と言われても仕方ないぐらいの素っ気なさで、まーサントラなのであまり多くは望まないようにしますね。


weg 作品としては1年半ぶりとなる、アジア映画 「星空 Starry Starry Night」 のサウンドトラック集。


Rating: 6.0/10