YELLOW FRIED CHICKENz 「YELLOW FRIED CHICKENz I」

YELLOW FRIED CHICKENz I(DVD付A )

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男たるものかくあるべき、その道をガックンが指南するよ!


男たるもの曲を作るからには激しくて速くて格好良くなければならない!強力な楽器隊を従えた演奏は見た目通りに肉体性ガッツリで、忙しない疾走感と痛快なアグレッション、 US エモポップにも通じる開放感溢れるメロディが抜群のコンビネーションで響いてくる。このメロディの質感や英語詞、外人メンバーも従えてるあたりは海外進出をハッキリ視野に入れているためでしょうか。ツインヴォーカルも各々の個性を立てつつ阿吽の呼吸を見せるナイスタッグ。オープナーからアルバム終盤に至るまで本当に息つく暇もないくらい怒涛の勢い。重戦車が全てを薙ぎ倒すかのようなヘヴィシャッフル 「最終通告COUNTDOWN [.jp]」 、何処の90年代だよと言わんばかりの2ビート&シンコペでバタバタ駆け回る 「LAST KISS [.jp]」 、オーケストラや尺八の音色が音のスケール感を弥増す 「MIND FOREST [.com]」 、パンキッシュな爽快感と明るさがランナーズハイへと突入する 「また、ここで逢いましょッ [.jp]」 など。獣性露わにした彼らの本性はこんなにもパワフルで、それにも拘らずしなやかでセクシーな香りがそこはかとなく漂うという。


男たるもの屈強な肉体と屈強な精神がなければならない!そもそもマリス時代からその歌唱力と美貌は浮世離れした魅力を放っていましたが、昨年 V-ROCK FES で見たガックンはそこに筋骨隆々な逞しいボディが追加され、胸筋をブンブン揺らしながら秒単位で計算し尽くされたショウを披露するその姿は完全にサイボーグでした。汗とフェロモンを噎せ返るほどに同時発散させるその様は正しい意味で男だし正しい意味でロックです。一挙手一投足に至るまで常に 「見せる (魅せる)」 ことに意識を置いたパフォーマンスは一見さんも瞬時に取り込む刺激を放っているし、実際にライブで見た俺はそのパフォーマンスの強靭さに大層興奮しました (性的な意味でなくてな) 。


そう、彼は根っからのエンターテイナーなのですね。絢爛に着飾った耽美ファンタジアから生身を曝け出す肉食の狼へと変貌を遂げはしたけれど、聴覚と視覚含めて華やかにエンターテインメント性溢れるステージを見せるという意味では彼の姿勢は常に一貫しています。確固たるポリシーがあり、惜しみないサービス精神がある。だからこそデビュー時からブランクを挟まず、今でも第一線を走り続けられるのでしょう。


GACKT を中心に結成された7人組の初フルレンス。


Rating: 8.0/10